アイシールド21|悪魔の司令塔蛭魔妖一、激アツ名シーン3選!

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「Dr.STONE」の稲垣理一郎最高傑作「アイシールド21」

2022年3月7日に発売されたジャンプで堂々の完結を迎えた「Dr.STONE」。

斬新な設定と先が読めない物語展開で間違いなく名作の一つに数えられる漫画となりました。

そしてそして、「Dr.STONE」の原作者稲垣理一郎先生の前作品、高校生のアメリカンフットボールを題材にした「アイシールド21」も負けず劣らずの超名作です。

今回はそんな「アイシールド21」の中で、主人公の小早川セナを抜いて人気投票得票数第一位に輝き、アニメではあのロンブーの淳さんが声優を務めたことでも話題を集めた、泥門デビルバッツの投手(クォーターバック)にして悪魔の司令塔、蛭魔妖一(ひるまよういち)の激アツ名シーン3選を紹介したいと思います!

ヒル魔は人の弱味を集めた「脅迫手帳」を利用して従順な下僕を生成しまくるド外道で常に重火器を所持するイカれ具合を見せていますが、アメフトとチームメイトに関しては真摯な一面をのぞかせるなど、非常に深みのある魅力的なキャラクターです。

そんなヒル魔の名シーンには私たちの心に火を付けること間違いなしです。

0.1秒縮めるのに1年かかったぜ。

23巻197話「0.1秒」より。

40ヤード走って皆さん走ったことありますか?多分、走ったことある人ってほどんどいませんよね。

基本的に日本の高校生の足の速さの指標と言えば50メートル走のタイムですが、アイシールド21の世界では40ヤード(36.58m)走がそれに当たります。

主人公のセナのが40ヤード走4.2秒。これは人類の限界速として説明されています。

また、40ヤード走5秒を切れれば、どこの高校に行ってもエース格と第一話でヒル魔自身が口にしています。

それを踏まえて、ヒル魔の40ヤード走のタイムは「5.2秒」です。

もちろん遅くはないタイムですが、他校のエース格と比べると数段劣るスピードは、ヒル魔の身体・運動能力は決して秀でているわけではないことを象徴しています。

その一方で、相対するのは、神速のインパルスと称される作中トップクラスの身体能力と天賦の才を持つ天才金剛阿含。

二人は中学時代、互いを利用し合っていた悪友同士で、能力・思考含め、手の内を知り尽くし合っていました。

そして本話の神龍寺ナーガ戦最終盤、泥門デビルバッツ最後のタッチダウンがかかったヒル魔のプレイシーンに繋がります。

自分の知っているヒル魔のスピード(40ヤード走5.2秒)なら、ギリギリタッチダウンを阻止できると息を巻く阿含。

しかし、実はヒル魔のスピードは1年間、血の滲むような鍛錬を経て阿含が知っている当時よりも「0.1秒」だけ、タイムを縮めていたのです。

本話時点での40ヤード走タイムは5.1秒。これは第1話でヒル魔が記録していたタイムです(実に196話越しの伏線回収)。

そして、追走する阿含を振り切り同点のタッチダウンを決めるヒル魔。

才能の上にあぐらをかいてまともな努力ひとつしなかった阿含に、たゆまぬ鍛錬を重ねたヒル魔のわずかな歩みの差が勝利を決めた、アイシールド21屈指の名言&名シーンです。

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執念だ 死んでも闘いてえ 勝ちてえっつうー 奴が一番勝率が高え そう読んだだけだ。

27巻236話「執念一つ」より。

宿敵のライバル王城ホワイトナイツとの関東大会準決勝最終盤。

わずかな試合時間を残し、王城ホワイトナイツの攻撃ターン。攻守両面を同じメンバーで闘い(通常アメフトは攻守でメンバーを総入れ替えする)、体力の底を尽きそうな泥門デビルバッツ。

不運にもラストプレイ直前の接触でセナが鼻血を出してしまい、守備メンバーを一人、ベンチから選ぶ必要がありました。

バスケ部助っ人の佐竹か山岡。相撲部助っ人の重佐武。そして運動経験がほとんどなく、もはや死力を使い果たしてベンチに横たわる雪光学。

理論と効率を重視するヒル魔であれば、ここは戦力としてバランスの取れた佐竹か山岡を選ぶはず。

が、ヒル魔の最後の選択は、最も満身創痍の雪光でした。

なぜ雪光を選んだか?ヒル魔をよく知るデビルバッツ創設メンバーの一人、武蔵が問いかけます。

その回答としてヒル魔が発したのが本セリフ。

「執念も『勝率』か。お前らしいな…」

武蔵のこのセリフまでがセットで大好きですね。

一見すると、どんな時も事実に基づいた冷静な判断を下す一種の冷酷さを持ち合わせているようにも感じるヒル魔ですが、ヒル魔にとっての価値基準・判断材料は決して数字だけではない。

そんなヒル魔を名キャラクターたらしめる魅力の根本をのぞかせるような、こちらも作中屈指の名シーンです。

そっちは譲れねえなあ。

35巻313話「野心」より。あまりこのシーンってファンの間で取り上げられない印象があるのですが、個人的には作中1.2を争うくらい好きなシーンですね。

アイシールド21の最終章の舞台は、世界の強豪(というか、実質アメリカ)を相手にしたW杯です。

その準々決勝前、クォーターバックのヒル魔とキッドを(おそらく無免許&無断で借りパクしたw)車に呼び込んだ阿含。大会MVPの副賞であるプロアメフトチームとの契約金3億円を獲得するために、アピールのチャンスが多いアメフトの花形ポジション、司令塔のクォーターバックを譲れという強引な脅しでした。

しかし、選手としての能力はともかく、クォーターバックとしての能力がキッドに劣っていると判断する阿含に、ヒル魔ははっきりNOを突き付けます(最凶を地でいく阿含にも全く物おじせず自分の意見を曲げないヒル魔がまたカッコいい)。思い通りにならない展開に暴走運転をチラつかせる阿含。

そこでヒル魔は、日本チームの誰がMVPをとっても、契約金の3億円は阿含に譲渡するという口約束を交わします。

お金さえ手に入ればいい阿含は当然、その条件を飲みます。

横にいるキッドが、もう一つの商品であるプロ入りはどうするか、ヒル魔に問いかけると、今そっちの話はいいだろと、珍しくお茶を濁すヒル魔。

お金さえ手に入ればいいが、いらないならもらってやってもいいー そう冗談まじりに口走った阿含を制止し、物憂げな表情でヒル魔が本セリフを発します。

なんで金がいらなくてプロ入りがいるんだ。逆だろバカ。考えが理解ができない阿含に対しヒル魔は、自分の運動能力では正面からトライアウトでプロにはいけない。プロになる最初で最後のチャンスがこのW杯だと冷静に言い放ちます。

「理由なんざねえ。やるなら死んでもトップ獲りにもがくのがたりめーだ。だから面白えんだろーが…!」

作中では「天才阿含」と「凡人ヒル魔」の対立構造が幾度と描かれます。このシーンもその内の一つ。凡人か天才かなんて関係ない。むしろ凡人に生まれたからこその実直な生き方や足掻く姿をどこか自分と重ね、勇気をもらえるのでしょう。

「分からねえ…テメーの言ってることは昔から わからねえよ…」

どこか悔しいような寂しいような口調の阿含。相容れないこの二人の刃が、王者アメリカの喉元に届くのはもう少し先のお話です。

「アイシールド21」は、今だからこそ読み返したい、未読の方にはぜひ読んでいただきたい折り紙付きの作品です。

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ではではドンセイグッバイ!イッシュウでした。

サムネイル画像 出典:アイシールド21_9巻表紙より
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