「Dr.STONE」の稲垣理一郎最高傑作「アイシールド21」
2022年3月7日に発売されたジャンプで堂々の完結を迎えた「Dr.STONE」。
斬新な設定と先が読めない物語展開で間違いなく名作の一つに数えられる漫画となりました。
そしてそして、「Dr.STONE」の原作者稲垣理一郎先生の前作品、高校生のアメリカンフットボールを題材にした「アイシールド21」も負けず劣らずの超名作です。
今回は、40ヤード走 4.2秒の光速の脚を持つビビリでパシリな主人公、小早川セナの名言3選を紹介していきたいと思います!
理想とは違っちゃったけど 今のがもっと楽しい そういうことだってあるよ!
出典:アイシールド21_第3巻23話「夢やぶれて夢」より
第3巻23話「夢やぶれて夢」より。
突然ですが皆さん、明確な「夢」って、いつまで持ってましたか?
高校生?中学生?それとも、夢なんか叶うわけない…って達観した小学生でしたか?
この歳になって何となく分かるような気がしますが、一番初めに持った夢って特別じゃないでしょうか。
例えばお医者さん、プロのスポーツ選手、テレビの中の俳優…その夢に打ち込んだ時間と情熱の分だけ、その夢の「次」に進むのが難しいのだと思います。
本話では、モン太こと雷門太郎が、小さい頃に憧れたプロ野球選手になるという夢の分岐点に立たされています。
キャッチに命を賭けてきたモン太ですが、バッティングや走塁、総合力を重視する野球部の入部テストに落ちてしまいます。
その後、アメフトにおいてキャッチを専門とする「レシーバー」を探していたセナに声を掛けられますが、モン太は、野球がダメだからアメフトに乗り換えるのは「逃げ」なんじゃないかと考えてしまいます。
その時セナがモン太に投げかけるのがこの言葉です。
夢に限らず、もともと思い描いていた未来と違う選択を迫られることって、人生には山ほどありますよね。
そんな時は、ぜひこの言葉を思い出して欲しいです。もしかすると、理想以上の未来が待っているかもしれません。
さて、この言葉を聞いた雷門少年の選択はいかに・・・
強くなるんだ 嘘がホントになるように
こちらは第5巻38話「ホンモノ・ヒーロー」より。
「やべえ…本当はそんなことないのに、つい見栄張っちゃった…」
なんて経験、誰しもありますよね。
「アメフトの名門 ノートルダム大のエース」。「勝つためには手段を選ばないデビルヒーロー」…それらを象徴する「アイシールド21」の称号。
主人公のセナも、自分の身の丈には全くもってふさわしくない名声と悪名が一人歩きしすぎてしまった人の一人なのです。(全て、悪魔の司令塔ヒル魔の策略ですが笑)
物語最序盤では、そんな「アイシールド21」を背負うプレッシャーに耐えられず、試合を途中放棄したり、弱音を吐いたりすることもありました。
しかし、強大なライバルとの邂逅や、信頼できる仲間との出会い、数々の経験がセナを成長させます。いつしか「アイシールド21」という冠は、今はまだ弱くて力が足りない自分にとっての、一つの道標になっていたのです。
そんなセナの精神的な成長を象徴する言葉がこちらの名言。
自分の身の丈に合わない見栄や虚勢も、その場しのぎのものではなく、いつか自分がそこにたどり着くんだ!という強い意志があれば、それはきっと素敵な嘘ということなのでしょう。
アメフト選手はフィールドに立ったら勝てるかもなんて口にしないんだ
第27巻237話「聖戦」より。
前述した2つのシーンと比べると、この言葉からさらにセナの成長が感じ取れますよね。
血の滲むような鍛錬の果て、幾多のライバルたちとの死闘を経て、技術・精神ともにが多大な成長を遂げたセナ。
対戦相手は、宿敵「王城ホワイトナイツ」。
かつてセナが初めての挫折を味わい、それ以降、常に自身の目標として掲げてきた王城ホワイトナイツのエース 進清十郎(しんせいじゅうろう)との、正真正銘最後のエース対決の舞台が整いました。
「パーフェクトプレイヤー」と称されるほど、スピード・パワー・スタミナ・技術・どれをとっても超一流の進には、試合の最終盤までついには弱点や攻略法と呼べるものは見つからず…
しかし、その進を超えなければ、泥門デビルバッツの勝利はないという状況に追い込まれていました。
成長を遂げたセナですら、試合中一度も抜くことができなかった進の鉄壁。
それでも、「アイシールド21」の口からはこの言葉が。
「聖戦」と題されるに相応しい最後の対決、一体、どのような結末が待っているのでしょう。
「アイシールド21」は、今だからこそ読み返したい、未読の方にはぜひ読んでいただきたい折り紙付きの作品です。
ではではドンセイグッバイ!イッシュウでした。
サムネイル画像 出典:アイシールド21_21巻表紙より