細部にセンスが光る!期待感溢れるマジカルファンタジー!
「ギンカとリューナ」は週刊少年ジャンプ2022年41号から連載を開始した渡辺シンペイ先生の作品。
物語は雪深い山奥から始まる――。
https://www.shonenjump.com/j/rensai/ginka.html
一人で暮らすリューナの下に現れた不思議な雪だるま・ギンカ。
外の世界を見たいリューナに、ギンカが魔術を教えて――!?
一緒にいれば不可能なんてない!!無邪気で楽しい二人の旅路の行方とは!?
最強の二人が織りなすマジカルファンタジースペクタクル開幕!!
魔法や魔術という純粋なファンタジーは、地味にここ20年のジャンプ史上、人気作品となった漫画がパッと出てこないんですよね。
今で言うと、『マッシュル-MASHLE-』がアニメ化も決まり(2022年9月現在)、ジャンプの人気作となっていて、設定や世界観もしっかりとしているのですが、それよりもシュールギャグの要素がとても強いので、純度で言うとそこまで高くない気がしています笑
もちろん、それはそれでめちゃくちゃ面白いんですけど!
ということで、ギンカとリューナは純度の高いマジカルファンタジーとして、期待感溢れる作品だと感じました!
圧倒的な物語の完成度。ともするとジャンプの看板作品にも…
週刊少年ジャンプの新連載が厳しい競争を勝ち抜き、連載定着、その後のアニメ化を狙うために、漫画作品には「作画力」「構成力」「キャラクター」「世界観・設定」「衝撃度」の5つの要素が必要だと考えます。
ジャンプ歴20年の私が、生意気にもそれぞれ5段階評価させていただいた結果がこちら。
- 作画力 ★★★★☆
- 構成力 ★★★★☆
- キャラクター ★★★★☆
- 世界観・設定 ★★★★★
- 衝撃度 ★★★★☆
総合評価:★21
★18~20:連載継続・打ち切りはおそらく無し
★21~23:順当に行けばアニメ化
★24.5:次期看板作品候補
ここ数年の新連載の中で随一の新・王道路線。
それぞれの項目の5段階評価の理由を説明します。
作画力 ★★★★☆
作画力は★4です。人物絵も上手ですが、物語の世界観にあった作画がすごくうまいなと感じました。
例えば雪山の動物や景観、魔術の描写など、この世のものではない想像力の延長線上にあるモノの作画に迫力がありますね。
バトルシーンの臨場感も文句なしで、作品の難しい世界観が綺麗に表現されていると思います!
構成力 ★★★★☆
構成力は★4です。正直★5とも迷ったくらい優れた物語展開とコマ割りでした。
例えば巻頭カラー1ページ目の3段階のコマ割り。人物アップからの引きカットには、物語が始まろうとする独特の雰囲気が滲み出ています。ページをめくった見開きのモノローグも、異国の昔話を思わせる妖艶な雰囲気が漂っていて、作品の世界観に引き込まれます。
全体を通して見ても、斬新な設定と世界観を、あくまでもストーリーに乗せて読者にインプットさせ、今後の期待を膨らませる引きにもなっていました。
ただ、初めにやや難しい世界観と設定を読者に伝えなければいけない、という要素が強すぎて、例えばヒロアカの第1話のような、1話目にして最高潮!みたいな展開ではなかったのかなと…
現ジャンプの看板作品と比較をしている時点でもう★5でもいいのかもしれませんね笑
キャラクター ★★★★☆
キャラクターは★4です。最強の二人が織りなすマジカルファンタジーと銘打ち、タイトルにもなっているだけあって、ギンカとリューナのキャラクターはめちゃくちゃいいですよね!
友情、愛情、家族愛(最近はスパイファミリーとか夜桜さんとか家族愛が来てる気がする)、色々な絆の形が描かれるジャンプですが、そのどれにも当てはまらないような、そのどれにも当てはまるような、不思議な関係性ですよね。
ファンタジーなので読者の共感を呼び起こすのはリアル作品より難しいと思いますが、2人の背景と関係性が上手く描かれているので、個人的には共感も芽生えました!みなさんどうでしたか?
ダブル主人公なのでここの2人が魅力的なのはある意味当然といえば当然なのかもしれません笑
1話では2人以外にキーマンになりそうなキャラクターが出てこなかったので、他のキャラクターの深掘りが未知数といったところが★4にとどまった理由です!
世界観・設定 ★★★★★
世界観・設定は★5です。これは圧巻ですね。気付いたら作品の世界観に浸ってしまっていた…
例えば、修行後のリューナが何気なく動物と会話をしてますが、魔術を使えるようになれば動物と喋れるようになる、みたいな説明はありませんよね。でも直感的に、「あ、リューナは魔術が使えるようになったから動物とも喋れるようになったんだ」ということがわかったと思います。
優れた世界観と設定を的確に届けるための構成や工夫が随所に見られて面白い…
この世界では魔術は「学問」なんですよね。多分重要な設定だと思いますが、そういった設定を小出しにして読者の頭の中で組立させるのがお上手…妄想が膨らみます!
また、猪突猛進マイペースでザ・ジャンプの主人公なリューナと、ゆるキャラ師匠のギンカが未知の世界を旅する設定は、アニメ化したらより映えると思います。アニメに適した世界観・設定という点も非常に好感が持てますね。アニメ化が正義というわけではありませんが、やはり集英社側からしたらメディア化は常に見据えているところだと思いますので!
衝撃度 ★★★★☆
衝撃度は★4です。前述した通り、「ジャンプじゃ珍しめな王道ファンタジー始まった!」という第一印象を持ったので、衝撃度はかなり高めです。それに加えて設定負けしない作画・構成・キャラクター…文句なしですね。
ですので、ここで★5にしないのは単純な好み。個人的にはもう少し派手で魔術師っぽいバトルが見られたらよりいいなと思いました〜
この先の展開次第ですが、ジャンプの看板作品にあと一歩で手が届くんじゃないかと思わせるほどのポテンシャルを持っていると思います。今後に大いに期待したいと思います!!
10歳から週刊少年ジャンプを読み続けてきて、メディア化し、大人気作品となった漫画。奇しくも志半ばで打ち切りとなってしまった漫画。数々の作品に巡り会ってきました。
そういった経験から、生意気にも作品考察をさせていただいてますが、その根底にあるのは、作品はもちろん、作家・編集者・出版社の方々へのリスペクトです。本ブログが少しでも、皆さんの漫画生活を彩ってくれたら嬉しいです!
本記事を見て「ギンカとリューカ」に興味を持ってくださった方は、ジャンプ公式サイトの作品ページをぜひチェックしてみてください!
https://www.shonenjump.com/j/rensai/ginka.html
ではではドンセイグッバイ!イッシュウでした。
サムネイル画像出典:ジャンプ公式サイト
https://www.shonenjump.com/j/rensai/ginka.html
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