単行本にして約8冊分。無印含め最長&最高のドイツ戦!
「テニスの王子様」、通称テニプリは、許斐剛先生による中学校の部活動テニスを題材とした作品。週刊少年ジャンプで1999年〜2008年の約9年間連載されていました。
2009年からは第2シリーズにあたる「新テニスの王子様」(以下:新テ)がジャンプスクエアにてスタートし、今なおファンをアツくさせているジャンプ屈指の名スポーツ漫画です。
序盤こそ正当なテニス漫画として歩みを進めていたものの、いつからか…「いや、それはありえんだろw」「どういうことよ?w」とツッコミたくなる描写が増え、テニスが突き抜けて「テニヌ」と呼ばれるようになりました。
そして新テになってからはよりテニス離れに拍車がかかります。中でもU-17W杯準決勝ドイツ戦はテニヌ描写の宝庫。というか、冗談抜きにして名勝負揃でめちゃくちゃ面白いです。
単行本では実に8巻分に渡って収録されたvsドイツ戦。本記事を見て激アツとシュールな笑いの両方を感じてもらえたら非常に嬉しいですね!では参りましょう、最長&最高!vsドイツ戦の思わず笑っちゃうテニヌ描写3選をどうぞ!
当時ネットを席巻した理解不能の巨大化!
日本vs.王者ドイツのダブルス2。第1戦のシングルス3を落としたことで、日本にとっては試合に負けたら敗北に王手がかかってしまう重要な一戦でした。
しかし、相手はプロにして今大会最強のダブルス、ベルティ・B・ボルクとダンクマール・シュナイダー。日本コーチ陣があまりの戦力差に「ダブルスは一つ諦めるしかない」と称するほどでした。
そんな彼らを迎え撃った日本のダブルスは、かつてフランス代表の破壊王(デストロイヤー)と呼ばれたデューク渡邊と…なんと中学3年生のコート上の詐欺師、仁王雅治。
プロ相手に中学3年生をぶつけた日本に対して、会場の誰もがこれは捨て試合だと確信したその時…
「ワシら日本が出せるジョーカー…これが最強ダブルスじゃ。」
日本代表のNo. 1にして絶対的な柱、平等院鳳凰にイリュージョンした仁王!そしてそのクオリティは平等院本人が唸るほど。まさに日本のジョーカーにして最強のダブルスです。
ただ、相手もプロテニスプレイヤーです。すぐに平等院とデュークのプレイに適応し、一進一退の攻防が繰り広げられます。第一セットは奇策が見事にハマり、絶望的な戦力差を覆して、なんと日本が先取!
そして事件は起こりました。チェンジコート明けの2セット目、ドイツのダンクマールが突如巨大化。
「デカ過ぎんだろ…」
新テニスの王子様_Golden age289「プロの次元」より
いやマジで…w 気迫で自分を大きく見せているとかそういう次元ではなく、実際に物理的に観客席の高さよりも大きくなっているのです。ちなみに本話のタイトルは「プロの次元」。いや、次元ってそういうこと?笑
超高打点から繰り出されるハイスピードボールに、日本代表一のパワーを持つデューク渡邊以上の圧倒的パワー。ドイツ代表は6−0であっさり2セット目を取り返してしまいました。
その反撃の狼煙となったダンクマールプロの巨大化。菊丸もびっくりな人外変化はまさにテニヌ史上屈指のおもしろ描写です。
自らの五感を奪う制約と誓約で宿敵、天衣無縫破り!
お次はシングルス2、青学部長にしてドイツに渡り代表となって立ちはだかる手塚国光と、王者立海部長にして無印のラスボス「神の子」幸村精市の対戦。
無印では実現しなかった夢のカードが世界の舞台で実現しました。これは本っ当〜に激アツ展開!
許斐先生は、たった一度の試合ではお互いのテニスの優劣は決まらないと公言しているので、過去の戦歴を遡って勝敗を邪推するのは愚策です。実際、手塚・幸村ともに中学生最強格として申し分ない力を持っています。
序盤幸村は、「手塚ゾーン」対策として編み出した、寸分違わぬクオリティで両手を使い分ける絶技「蜃気楼の鏡(ミラージュミラー)」でゲームを連取します。
しかし、「天衣無縫の極み」になった手塚がすぐさまゲームを逆転。
…実は幸村、全国大会決勝の最終決戦でリョーマに敗れてから、「天衣無縫の極み」に対してトラウマを抱えていたのでした。
「天衣無縫の極み」に対抗できる中学生は作中でも数えるほどしかおらず、神の子と称される幸村でさえも再び劣勢に立たされてしまいます。
しかし、ラリーを重ねるごとに手塚の天衣無縫の極みに適応していく幸村。自身のトラウマを払拭し、天衣無縫の極みを打ち破るために取った行動が…
自らの五感を放棄し、テニスに必要な感覚のみを極限まで高める「零感のテニス」。
新テニスの王子様_Golden age302「零感のテニス」より
不二先輩の「心の瞳(クローズド・アイ)」究極版みたいなものですね。正直理屈は分けわからないですが(おいw)、超絶カッコいいことだけは確かです。
ついに天衣無縫の極みを破って第一セットを先取した幸村。それと同時に、全国大会決勝で負ったトラウマをも打ち破りました。
「あ〜〜〜〜〜っ。スッキリした。」
クールで格好いい幸村のこのセリフも印象的。文句無しの超絶テニヌ展開&描写でした。
ついにテニスで死者が…試合中落雷に打たれて絶命。
ドイツとの最終決戦は、日本の絶対的支柱・平等院鳳凰と、勝利への哲学者・トッププロ ユルゲン・バリーザヴィチ・ボルクのシングルス1に委ねられました。
最強の男に真っ向から戦いを挑むも、その圧倒的な力を前に自らの記憶を上書きしてタイムループを起こす平等院。…あれ?自分でも何説明してるかわからない…わかりやすくいうと…
現実を受け入れられないほど力の差を見せつけられて精神が崩壊し、対戦初期の状態に記憶が強制リセットされてしまうくらい、ボルクの力は強力過ぎました。
しかし、これはある種平等院の賭けでもあったのです。平等院は絶体絶命のピンチから息を吹き返すたびにテニスの実力がワンランクアップするという、平たくいうとサイヤ人みたいな特性を持っているのですが…
現時点での自らの力ではボルクに敵わないことを悟り、試合中にそれを試みたわけですね。
そしてその平等院の怖さを過去に身をもって体感していたのが、スイス代表の主将にしてボルクと同じくプロ選手のアマデウス。かつてアマデウスに追い詰められ、絶体絶命のピンチにサイヤ人の特性を発揮して成長した平等院はアマデウスに追いすがりました。
が、そこでなんと落雷が飛来。平等院は死にました。
新テニスの王子様_Golden age346「落雷」より
死んだように、とかではなく、一度は死亡診断書も書かれたという描写があるので、実際に死にました。…どういうことですか?
結局そのアマデウスとの試合はノーゲームとなりましたが(死人が出てるから当然や)、13時間後に何も無かったかのように平等院は息を吹き返したそうです。…どういうことですか?
アマデウスとの因縁的な展開を作るためにノーゲームにしたかったのはわかりますが、「なら雷落っことして平等院死なせたろ。」って普通なりますか?正直他にいくらでも方法はありそうですが、いつだって想像の遥か上をいってくれるのがテニヌです。
もうわけわからないですが、同じ時代にこの漫画に出会えて嬉しいです。本当にありがとうございます。
「テニスの王子様」は、今だからこそ読み返したい、未読の方にはぜひ読んでいただきたい折り紙付きの作品です。
ではではドンセイグッバイ!イッシュウでした。
新テニスの王子様_Golden age289「プロの次元」より
いつからかテニスが突き抜けて「テニヌ」と呼ばれるようになった名作品。 「テニスの王子様」、通称テニプリは、許斐剛先生による中学校の部活動テニスを題材とした作品。週刊少年ジャンプで1999年〜2008年の約9年間連載されていました。 […]