作中屈指の人気キャラ。天才不二周助の無印ベストゲームは?
「テニスの王子様」、通称テニプリは、許斐剛先生による中学校の部活動テニスを題材とした作品。週刊少年ジャンプで1999年〜2008年の約9年間連載されていました。
2009年からは第2シリーズにあたる「新テニスの王子様」(以下:新テ)がジャンプスクエアにてスタートし、今なおファンをアツくさせているジャンプ屈指の名スポーツ漫画です。
テニスの王子様14巻_Genius139「不二周助」より
今回はそんなテニプリの中でも屈指の天才テニスプレイヤー、「その打球消えるよ。」でお馴染み青春学園中等部3年不二周助の、無印(新テの試合は抜き)ベストバウト3選をご紹介!
関東大会決勝戦S2 vs立海大付属中切原赤也 ○7−5
まず最初は、王者立海大付属との関東大会決勝戦、立海の2年生エース切原赤也とのシングルス2です。
ダブルス2試合を落とし、乾がシングルス3で宿敵柳に一矢報いたものの、ここで試合を落とせば青学の負けが決定する大一番。
「15分で終わらせる」そう息を巻く赤也と立海スタンドの期待をよそに、最初のゲームを連取する不二。王者を相手に圧倒的なまでの試合運びをする不二の強さに動揺を隠せない観衆と、思い通りにならない試合運びに苛立ちを増す赤也。
この辺りまで、「不二先輩って天才プレイヤーって呼ばれてるけど、結局全国区なの?所詮は関東レベルなの?」みたいな疑問がありましたが、立海相手にこれは、流石に全国区だろ…そう思わせる強さでした。
しかし、一瞬の油断が命取りになり、赤也のスマッシュをもろに頭に食らってしまいます。
その反動で一時的に視力を失ってしまった不二先輩…何とか感覚を頼りにラリーを試みる不二ですが、目が見えていないことに気づいていた赤也に容赦無く攻め立てられ、立て続けにゲームを取り返されてしまいます。
勝利への凄まじい執着を見せる赤也は、さらに猛攻を仕掛けます。…が、ある一定のポイントから点が入らなくなる赤也。
気づけば不二先輩は、目の見えない状況に適応し、むしろその研ぎ澄まされた集中力で、目が見えている時以上の実力を発揮していたのでした。
テニスの王子様25巻_Genius219「そして不二は微笑む」より
試合終盤、追い込まれた赤也が「無我の境地」により覚醒をしますが、ベンチにいる越前のコーチングにも助けられ勝ち切る不二先輩。
アクシデント(というか、赤也は勝つために意図的に狙った)はありましたが、終わってみれば力を十二分に発揮した&不二先輩の天才性がカッコ良すぎたベストバウトでした!
全国大会準決勝S3 vs四天宝寺中白石蔵ノ介 ●7−6
お次は全国大会準決勝、四天宝寺部長白石蔵ノ介とのシングルス3です。
実はこの試合が全国大会初のシングルスとなった不二先輩(緒戦の比嘉中戦はダブルスでの出場、準々決勝の氷帝戦は控えだった←これは当時めちゃくちゃ舐めプだと思ったw)。
結論から言うと、不二先輩が公式戦のシングルスで敗北するのはこの試合だけとなります。が、その試合内容は壮絶でした。
基本に忠実な聖書(バイブル)テニスを標榜する白石に不二先輩は手も足も出ず、1ポイントも奪えないまま白石のマッチポイントを迎えてしまいます。
これは当時不二先輩が最強格だと信じていた自分としては、泣きたくなるくらい悲しかったですね…
「本気でやってよ」
試合がこのまま決まるかに思えたその時、小生意気なルーキー越前リョーマから彼なりの叱咤激励が飛び出します。
その言葉を皮切りに、いつものクールさはなりを潜め、執念に任せて反撃を仕掛ける不二先輩。何とか土壇場で1ゲーム返しました。
そこからは圧巻の天才不二劇場。白石相手には通用しなかった得意の三種の返し球(トリプルカウンター)に再び息吹を吹き込み、ポイントを積み重ねます。
「何て恐ろしい男やー。進化?それだけやない。奴は何ややろうとしている‼︎」
白石の悪寒の正体、それが第5の返し球(ファイナルカウンター)「百腕巨人(ヘカトンケイル)の門番」でした。
テニスの王子様36巻_Genius 319「その門は固く閉ざされた」より
ボールに2乗の超スライスをかけることで相手が打った打球が急激に失速し、その打球はネットを超えることはないという「百腕巨人の門番」。まさに漫画ならではの激アツ技です…。
執念の反撃に技の進化、さらには新技の披露まで「勝ちフラグ立ちまくりやん!これは勝った!」と、当時小学生の僕ですら思った展開でした。実際に不二先輩は白石に追いつき、逆にマッチポイントまで追い詰めます。
しかしさらに土壇場で、白石が「百腕巨人の門番」を攻略し、勢いそのままに勝ち切ってしまいました。いやー…この試合展開は初めてジャンプに裏切られた瞬間でしたねw
お互いのキャラクターの良さも光り、個人的には無印の中でも3本指に入るくらい好きな試合です!
全国大会決勝戦S2 vs立海大付属中仁王雅治 ○7−5
最後は全国大会決勝戦シングルス2、王者立海の「コート上の詐欺師」こと仁王雅治との試合です。
この試合では、後に新テで「仁王ゲー」と呼ばれることとなる、仁王のイリュージョンの片鱗を見せつけられましたねw
序盤こそ関東大会決勝同様、圧倒的な実力を見せつける不二先輩ですが、「不二が絶対に勝てない相手を用意した」という立海部長幸村の言葉から試合の風向きが変わり始めます。
何と仁王は、手塚国光にイリュージョンをしたのです。「イリュージョンって何やねん」っていう人もいると思いますが、仁王が対象の相手になり切ることをイリュージョンと呼ぶんですw
つまりここでは、仁王は手塚になり切ったわけですね。しかし生半可ななり切りじゃありません。
手塚ゾーン、零式ドロップショット、さらには百錬自得の極みまで…本物と遜色のないほどのクオリティで戦う仁王。ついにはゲームポイントで不二先輩に逆転してしまいます。
幸村「不二はずっとあえて二番手に甘んじてきた。手塚は超えられない。」
実は不二先輩、手塚とは部内で何度も戦うチャンスがあったのに、無意識のうちに戦うことを避けていたのです。また青学部員で、手塚と不二、実際のところ2人はどっちが強いのか…それを断言できる人もいませんでした。
図らずして全国大会決勝で実現した青学頂上決戦。そして、零式サーブ4本でゲームセットという局面がやってきました。…しかし、仁王はここで「才気煥発の極み」を発動。
そしてその才気煥発の絶対予告を、関東大会決勝で見せた「心の瞳(クローズドアイ)」で破る不二。
絶対予告で誤魔化しましたが、不二先輩の目は騙せませんでした。
不二「君は…本物の手塚の足元にも及ばない。」
零式サーブは打たなかったのではなく打てなかった。つまり、仁王のイリュージョンも完璧ではなかったということです。この辺りは、手塚と不二の両方の格を落とさないうまい展開だなと思いましたね。
そしてなんと仁王は、「手塚国光も案外使えんぜよ…」と吐き捨てて白石にイリュージョンをします。よくよく考えるともうここら辺から仁王の性能バグってますねw
準決勝で敗れた宿敵(イリュージョン)を前に、不二先輩は…
テニスの王子様41巻_Genius363「瞳を閉じて心のまま僕は君を想う」より
まさかのこの短期間で第6の返し球「星花火」を完成させていたのです。この技は準決勝で苦渋を飲んだ白石のコードボール(打球がネットインすること)に対応するためのカウンターで、負けず嫌いな不二先輩の一面が垣間見えるのも好きなとこです。
不二先輩と手塚との因縁。準決勝で敗北した白石へのリベンジ。試合のアツさもさることながら、物語の展開としても秀逸な試合で、これまた無印屈指のベストゲームだと思っています!
「テニスの王子様」は、今だからこそ読み返したい、未読の方にはぜひ読んでいただきたい折り紙付きの作品です。
ではではドンセイグッバイ!イッシュウでした。
サムネイル画像 出典:テニスの王子様_25巻表紙より
作中屈指の人気キャラ。天才不二周助が天才たる所以。 「テニスの王子様」、通称テニプリは、許斐剛先生による中学校の部活動テニスを題材とした作品。週刊少年ジャンプで1999年〜2008年の約9年間連載されていました。 2009年か[…]