ジャンプ屈指の名原作者、稲垣理一郎先生の代表作。
「バクマン。」のサイコーとシュージンのように、作画と原作を分けて創作し、人気漫画となった作品は多数存在します。
例えば、「デスノート」。「約束のネバーランド」。「ヒカルの碁」。意外なところでいくと、「キン肉マン」も作画と原作に分かれた2人組です。ゆでたまごは共同ペンネームなんですね。
そしてそして、2022年3月7日に発売されたジャンプで堂々の完結を迎えた「Dr.STONE」も超絶作画のBoichi先生と原作者稲垣理一郎先生のタッグで描かれた作品です。
いやあ…非常〜に綺麗に走り抜けたなあと。めちゃくちゃいい作品ですよね。第1話で全人類が石化してからの、「これから一体何が始まるんだ感」はジャンプ史上屈指のワクワクだったと思います。
今回は、「Dr.STONE」をはじめ、数々の作品を世に送り出す稲垣先生の代表作「アイシールド21」について語りたいと思います。
批判を恐れず申し上げますと、僕は「Dr.STONE」より「アイシールド21」の方が好きですかね…。もちろん「Dr.STONE」もそこらへんの人に負けないくらい好きですよ?氷月が科学王国に与して敵組織の最強キャラ、モズを打ち負かすとこなんてもう鳥肌物ですからね。
それでも!稲垣理一郎先生の最高傑作は「アイシールド21」だと。そうまでして推したい魅力がこの作品には満載です。
史上唯一のストーリーキング『キング』に輝く。
みなさん、「ストーリーキング」というジャンプの漫画賞をご存知でしょうか。
絵のうまさ関係なく、単純な「話の面白さ」のみで評価される有名な漫画賞です。
「ストキン炎」、「ストキンP」を経て、現在は「ストキンPro 」と言う漫画賞に名前を変えて、「ガリョキンPro」という作画力のみを評価対象とする漫画賞と対を成しています。
初代のストーリーキングは1998年より始まり、現在に至るのですが、その数十年もの歴史の中で、最高賞の「キング」に輝いたのは「アイシールド21」だけです。
そもそもが不思議なのですが、集英社は、手塚賞や赤塚賞をはじめ、こういった漫画賞では準入選や準キングばかりで、滅多に最高賞を選定しないんですよね…
つまり、よほどずば抜けた「面白さ」、「ポテンシャル」、あるいは「才能」を感じさせないと。獲れない・与えられない漫画賞なんです。
そしてストキンキングの看板をぶら下げ、今では「ワンパンマン」でお馴染み、超画力の村田雄介先生とタッグを組み、満を辞して週刊少年ジャンプ連載へ。
「ONE PIECE」「NARUTO」「BLEACH」のビッグ3が全盛し、第二の黄金期と言っても過言ではなかった当時のジャンプ連載作品の中でも、間違いなくトップクラスの人気を誇っていました。
ジャンプらしい王道バトル漫画がラインナップに並ぶ中で、「アメフト」という日本人にとってはほとんど馴染みがないスポーツを題材にした漫画が人気を博した…これがどれだけ凄いことか。
構成力・作画力・キャラクターの魅力、このどれもが超一級品だったからこそ成し得たことだと思います。
今改めてみても、ただのスポーツ漫画という枠にとどまらず、ジャンプ史に残る名作品です。思い返すと、数々の名シーンが脳裏に蘇ります。僕と同じ年代の方は、夜アニメを見ていた方も多いのではないでしょうか。
今だからこそ読み返したい、未読の方にはぜひ読んでいただきたい折り紙付きの作品です。
ではではドンセイグッバイ!イッシュウでした。
サムネイル画像出典:アイシールド21_第1巻表紙より