このままでは…徐々に匂いだした打ち切り臭。
週刊少年ジャンプ2022年44号の時点で第5話。まだ連載が始まってほんのひと月だろ!そんなんで何がわかるんだよ!と言いたい方もいるかと思いますが、ジャンプ歴が長い人なら分かるはず。
結果的に打ち切りになってしまう漫画は、この時点で若干匂いだしてしまうのです。打ち切り臭とでも言うべきものが…。
もちろんそう言うのには理由がありますので、簡単に紹介しますね。
時折見せる謎のギャグ展開で大滑り
まずはこれですね。たまによく分からないノリをキャラがし始めるんですけど、それが正直ハマってない…
例えば、海外観光客が多い 場所で窃盗が発生して(まずこの状況に突っ込みたい)、「捕まえて」とじん太が英語で言うシーン。英語が分からないじん太が絞り出した単語は
「ステイウィズミー‼︎」
全然伝わっていない様子にさらに一言。
「全然伝わんねー‼︎オレ英検5級なんだった…‼︎」
文字にすると意外とおもろいですねw
ただ展開の中では割とシリアスパートに突入したのかな?と思いきや急ブレーキをかける謎のギャグ要素でした。ギャグ漫画に振り切っているならいいんですけどね…今の感じだと浮いてしまっている気がします。
少年誌ギリギリを攻めるエグい描写
マナカの必殺技である「変幻魄刀」は、有機物だろうと無機物だろうと物質と物質を組み合わせて作り替えてしまうなかなか面白い技なのですが…
作中では相手のカメレオンっぽい人型の妖怪と、周囲に飛んでいたハエが(誤って)混ざり合ってしまい、顔がハエで胴体が人間のキモ生物が生まれました。絵が中途半端にリアルなので、食欲が失せるレベルです。
ハガレンの「勘のいいガキは嫌いだよ…」のくだり(くだりって言うな)のように、エグい描写の中にメッセージ性みたいなものがあるならいいのですが、ただただギャグ?シリアス?…よく分からずじまいの描写にやや困惑気味です。
5話目まできてこの先の物語が見えてこない
これは他の打ち切り作品にも共通して言えることですね。
逆に連載が続く漫画は、5話目くらいまでには物語の世界観や設定を読者に刷り込む作業が順調に進んでいて、徐々に読者の期待感を醸成していくようなストーリー構成になっています。
大東京鬼嫁伝の場合、物語のゴールが見えてこない。
マナカとじん太のタッグで妖怪からできるだけ多くの人を助けていくのがゴール…?
だとすると、この先も2人の回りに起こることを中心にストーリーが進むことになり、物語は広がりを見せづらいと思います。
この3つ目が最も連載継続に向けて難しいポイントだと感じていますね。
とはいえジャンプ連載作品。鈍く光るストロングポイント。
しかしですね!もちろん面白いポイントもあるんです。今後もこの部分にもっとフォーカス当てて欲しいなあと思うポイントも紹介します!
謎のギャグノリの中で、嫌いじゃないくだり。
週刊少年ジャンプ2022年42号第3話「幸せな結末」より
↑敵妖怪をマナカが成敗した後に、何故か毎回、相手の去り際にケツをおもっくそ蹴って追い討ちをかけますw
第1話でそれをやった時は「よく分からんノリだな…」と思ったのですが、徐々にマナカのキャラクターを理解するにつれて面白みが生まれてきましたね笑
こういう小ネタが好きな読者も結構いると思うので、ぜひ続けて欲しいです!
マナカ七変化。増していくキャラクターの深み。
週刊少年ジャンプ2022年44号第5話「Ryogoku’s Fist」より
↑自称、異界一相撲が好きな妖怪を前に、「妖術なしで相撲をとってみろ。それとも異界一の相撲好きは鬼が怖いのか?」と見事な煽りを繰り出します。
プライドを刺激された相撲好きな妖怪は、自ら妖術を封じて相撲を取ろうとします。…が、丸腰になった相手をマナカは妖術を纏った剣で一掃w
「あれ、話違くね?w」読者すらそう思った次の瞬間、言い放った言葉がこちら。いや、いいキャラしてる笑
じん太に恋する女の子な一面。嫉妬に狂うメンヘラな一面など、話が進むにつれ、ヒロイン・マナカの色々な一面を知れて楽しくなっています。
このヒロインのキャラクター性はすごい魅力。
マナカというキャラクターの深掘り。それに呼応した周りのキャラクター深掘り。この辺りが今後伸びてくれば、まだまだ可能性を感じる作品です。
10歳から週刊少年ジャンプを読み続けてきて、メディア化し、大人気作品となった漫画。奇しくも志半ばで打ち切りとなってしまった漫画。数々の作品に巡り会ってきました。
そういった経験から、生意気にも作品考察をさせていただいてますが、その根底にあるのは、作品はもちろん、作家・編集者・出版社の方々へのリスペクトです。本ブログが少しでも、皆さんの漫画生活を彩ってくれたら嬉しいです!
本記事を見て「大東京鬼嫁伝」に興味を持ってくださった方は、ジャンプ公式サイトの作品ページをぜひチェックしてみてください!
https://www.shonenjump.com/j/rensai/oniyomeden.html
ではではドンセイグッバイ!イッシュウでした。
サムネイル画像出典:ジャンプ公式サイト
https://www.shonenjump.com/j/rensai/oniyomeden.html
好評を博した読切を経て、堂々の連載開始! 2022年40号より連載を開始した『大東京鬼嫁伝』。読切で読者の反応を探り、好評を博しての連載スタートという、週刊少年ジャンプの王道連載ルートですね。 花札進太を訪ねてきた常識が麻痺し[…]